県内初の高度救命救急センター整備へ『大分合同新聞』2011年12月15日付

『大分合同新聞』2011年12月15日付

県内初の高度救命救急センター整備へ

 災害時の医療態勢を充実し、高度な救急医療を提供するため、来年8月にも大分大学医学部付属病院(由布市挾間町)に「高度救命救急センター」が設置される見通しとなった。14日、医師ら専門家でつくる県救急医療対策協議会で承認された。同センターの整備は県内初。九州では久留米大学病院(福岡県)に続き2カ所目となる。

専門性高い治療担う

 県医療政策課によると、県内に4カ所ある救命救急センターのうち同病院を高度救命救急センターに“格上げ”する形。広範囲のやけどや、指などの切断、毒物の急性中毒といったより専門性の高い治療を担う。

 設置にあたっては、8月にも病院内に救命救急棟が新設され、県が導入するドクターヘリの基地病院となることや、「高台に位置し東日本大震災のような津波災害が起きても高度な医療態勢を確保できる」(同課)ことなどが考慮された。

 県福祉保健部は来年度一般会計当初予算の部局要求で、高度救命救急センターの人件費や施設整備費として約8350万円を要求。急性中毒の種類を判別する医療機器の導入や、自殺未遂などの救急患者を診察する精神科医の確保などを目指す。病床は現在の10床から24床に増やす計画。

 この日の協議会では、指定は基本的に「承認する」とした一方、「重度のやけど治療に対応する専門医の配置が必要」「高度救命救急センターの整備だけでなく、大分市中心部にも救命救急センターを整備するべきだ」などの意見が出た。

 協議会長の近藤稔県医師会副会長は「県民に専門性の高い医療を提供できるようになる。人材不足が叫ばれる救急医の確保につながることも期待したい」としている。県は今後、指定に向けた予算化と厚生労働省との調整を進めるという。

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