文科省:「5000人超、海外留学へ」 国際的人材を育成--来年度目標『毎日新聞』 2011年11月7日付

『毎日新聞』 2011年11月7日付

文科省:「5000人超、海外留学へ」 国際的人材を育成--来年度目標

 世界で活躍する人材づくりにつなげようと文部科学省は来年度、5000人超の大学生と高校生を海外留学させることを目指し、奨学金枠の拡大などに 取り組むことを決めた。従来の5倍以上の人数で、5年後には大学・高校生各約1万人に増やす目標も掲げる。自身も高校卒業後、米国のジョージタウン大に留 学した中川正春文科相は「若者は海外に飛躍し、元気な日本をつくってほしい」と呼びかけている。【木村健二】

 文科省によると、海外留学する日本人は04年の8万2945人をピークに減少に転じ、08年は6万6833人で前年比11%減。高校生についても、08年は06年比18%減の3190人にとどまった。

 このため文科省は、高校生の留学経費支援や大学生の奨学金枠の拡大などを計画。短期留学(3カ月以上1年未満)する大学生を今年度(760人)の 約4倍の3000人、高校生も今年度(50人)の40倍に当たる2000人に増やせるよう、来年度予算の概算要求に関係経費を盛り込んだ。大学生について は1年以上の長期留学への支援も、現在の100人分から200人分に倍増させる。

 リクルートが今春高校卒業の大学進学者約7500人から回答を得た調査によると、「留学意向なし」(40%)が「留学意向あり」(33%)を上 回った。「留学意向なし」の理由(複数回答)は「費用が高いから」(48%)が最多で、次いで「英語(外国語)が苦手だから」(44%)だった。

 同社が発行する高等教育専門誌「カレッジマネジメント」の小林浩編集長は「これからは語学力を磨き、異文化に対応できる力が重要。早い時期から海外で経験を積むきっかけをつくるべきだ」と指摘している。

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