決 議 日本の希望ある未来のために、国立大学の強化を!!
国立大学協会は、本年6月、『国立大学の機能強化−国民への約束—』(中間まとめ)を取りまとめ、各大学の個性・特色の明確化と不断の改革の実行等を通して、教育力・研究力や地域貢献、国際交流・国際貢献活動などの機能の強化を推進し、わが国の知の創造拠点・高度人材育成拠点として、日本の希望ある未来と人類社会の持続的発展に寄与していくことを国民に約束した。
国民の期待に応え、学術研究を推進し、地域の力・国の力を高め、何よりも大震災からの復興と日本再生に向けての人材育成と研究開発を充実させるためには、十分な投資によって国立大学の諸機能を強化していくことが不可欠である。
しかしながら、法人化以後、骨太の方針2006による運営費交付金の対前年度比1%削減や総人件費改革(毎年1%削減)の影響により、教員の年齢構成のアンバランスや常勤教育研究者の減少が顕著となり、長期的展望のもとに充実、強化をはからねばならない研究力、人材育成力が危機に瀕している。
平成23年度予算においては、国立大学教育研究特別整備費の新設等により、国立大法人化以降初めて、基盤的経費の削減に歯止めがかかったものの、運営費交付金は減額されている。この状況が続けば、国立大学の教育・研究・医療の基盤は根底から崩壊し、回復不可能な事態に立ち至ることが危惧される。
資源の少ないわが国にとって、優れた高等教育を受けた将来を担う人材の育成と研究、科学技術の発展は欠くことができないものであり、その原動力である大学への財政支援の拡充は、未来への先行投資であることは言うまでもない。
このことを踏まえ、国立大学は広く国民の理解を得る努力を積み重ねるとともに、平成24年度予算編成において、「日本再生重点化措置」に係る要望事項への配分を含め、下記事項の実現を図るよう、強く要請していくことを確認する。
○ 国立大学法人運営費交付金の確保・充実
○ 教育費負担の軽減
(授業料減免措置の拡大、給付型奨学金の創設・税額控除の導入を含む奨学金の充実)
○ 国立大学附属病院の経営に対する財政的支援の充実
○ 教育研究の基盤となる施設・設備の整備(施設整備費補助金等の拡充)
○ 科学研究費助成事業の拡充(科研費の「基金」化の拡大を含む)
○ 教育研究水準の向上に向けた改革と国際的に開かれた大学づくりに資する予算の拡充
○ 国立大学の教育・研究・医療を支える人材確保への配慮
平成23年11月4日
一般社団法人国立大学協会 総会