新大学長 下條氏再任へ『読売新聞』2011年10月1日付

『読売新聞』2011年10月1日付

新大学長 下條氏再任へ 

2次意向投票 「不正契約」影響か過半数割れ 

 不正契約問題で揺れる新潟大学で、下條文武学長(67)の任期満了に伴う次期学長選考があり、役員と教員1240人による第2次意向投票が30日、行われた。下條氏が1位で、理学部長の谷本盛光氏(62)、脳研究所所長の高橋均氏(59)と続き、第1次意向投票と同じだった。10月6日に開かれる学長選考会議が、2次投票の結果を参考に次期学長を決定する予定で、下條氏が再任される見通し。 

 2次投票は、1240人のうち857人が投票した。投票率は69・1%だった。下條氏は全体の4割余りに当たる363票、谷本氏が281票、高橋氏が206票だった。 

 下條氏は8月29日の1次投票に続き1位だったが、いずれも投票総数の過半数には及ばなかった。 

 今回の学長選考では、大学運営や教育・研究に関する方針以外に、4月に発表した不正契約問題に対する姿勢に注目が集まった。 

 下條氏は、投票資格者に向けた所信で、不正契約問題について、「先頭に立って、事件の解決へのめどをつけることが、私自身の責務」「不正・違法行為等が2度と起きないよう、執行体制の改善を図り、再発防止に向けて万全を期す」などと決意を述べていた。 

 一方、谷本氏は「執行体制に欠陥があった」「長年かけて培ってきた社会的信頼が崩れつつある」と下條氏を批判。「学長が、学内教職員と社会に向けて責任を明確にすべき」などと訴えた。 

 高橋氏は「新学長、新執行部で問題に対処することが賢明なやり方、正しい道」などと主張した。 

 下條氏の得票が、体制一新を求める両氏の合計得票を下回ったことについて、ある教授は「下條さん以外の2人は決定打に欠けた。裁判対応を任せるという消極的な選択をした人が多かったのだろう」と分析してみせた。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com