国立大学:東大の無駄「150億円」 15大、計170億円--検査院調査『毎日新聞』2011年9月28日付

『毎日新聞』2011年9月28日付 

国立大学:東大の無駄「150億円」 15大、計170億円--検査院調査

 ◇64年五輪会場、活用少なく

 東京大や京都大、大阪大など15の国立大学で、利用の少ない運動場や施設、着工の進まない建設予定地など有効活用されていない土地や建物が帳簿価 格で計約170億円相当あることが、会計検査院の調査で分かった。このうち約150億円相当は東大が占め、東京五輪の会場になった運動場の一部もある。検 査院は各大学に具体的な活用計画を立てるか売却するよう求める方針だ。【桐野耕一、袴田貴行】

 検査院は昨年、東京芸術大など4大学に対し、利用の少ない計約100億円相当の土地の問題を指摘しており、今年も新たに国立大の「埋蔵資産」が見つかった。

 関係者によると、指摘を受けるのは、他に北海道大▽名古屋大▽九州大▽一橋大▽東京医科歯科大▽東京外国語大▽埼玉大▽信州大▽福井大▽静岡大▽高知大▽鹿児島大。

 東大は、64年の東京五輪で近代五種・クロスカントリー競技の会場にもなった千葉市の検見川(けみがわ)総合運動場約27万平方メートルを所有。 このうち、クロスカントリーコースやゴルフ練習場計約9万平方メートル(約70億円相当)について、検査院は、学内の利用者が少ないとして指摘対象とする 見込み。

 クロスカントリーコースの09年度の利用者は一般開放も入れて約8000人。ゴルフ練習場は、授業などで使うこともあるものの、一般開放していないという。

 東大については、このほか具体的な整備計画もなく更地のまま所有している千葉県柏市の運動場跡地約6万平方メートルなど約80億円相当も対象。他 の大学も未利用の土地や利用の少ない施設などがあり、大阪大は約5億円相当、京大と静岡大はそれぞれ約3億円相当を指摘される見通し。

 東大は「検査院からまだ正式な報告を受けておらず、コメントできない」としている。

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