概算要求基準決定 「再生枠」に7000億円『東京新聞』2011年9月20日付

『東京新聞』2011年9月20日付

概算要求基準決定 「再生枠」に7000億円

 政府は二十日午前、二〇一二年度予算の概算要求基準を閣議決定した。七千億円規模の特別枠「日本再生重点化措置」を設け、日本経済の再生に効果がある政策に予算を重点配分する。また、東日本大震災の復旧・復興予算は一般予算とは別枠にし、上限を設けないことにした。

 政府はすでに、各省庁の政策的経費について、一一年度当初予算比で一律10%削減を求めており、代わりに削減額の一・五倍の額を特別枠として要求できる仕組みにした。各省庁からの要求は九月末に締め切る。

 特別枠は(1)科学技術やエネルギーなどの新成長戦略(2)教育・雇用などの人材育成(3)地域活性化(4)安心・安全社会の実現-の四分野で要求できる。配分先は新たに設置する予算編成に関する政府・与党会議で検討し決定する。

 復旧・復興費用については、現在策定中の一一年度第三次補正予算と一体的・連続的に編成するとした。閣議に先立って開いた「予算編成に関する閣僚委員会」で野田佳彦首相は「復旧・復興経費は十二分にしっかり要求を出してほしい。青天井でいい」と関係閣僚に指示した。

 予算全体の規模は、国債費を除く「歳出の大枠」を一一年度当初予算の七十一兆円以下に抑え、一律10%削減により社会保障費の自然増分などを補う。

 各省庁の要求上限額を決める概算要求基準は例年ならば七月下旬に出されていたが、今年は震災の影響や政局の混迷などで大幅に遅れた。

 概算要求の締め切りも通常は八月末のため、来年度予算の編成作業は例年より一カ月遅らせる。

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