徳大、米に産学連携拠点 シリコンバレーに事務所『徳島新聞』2011年9月14日付

『徳島新聞』2011年9月14日付

徳大、米に産学連携拠点 シリコンバレーに事務所

 研究者が開発した技術を米国に売り込むため、徳島大学は米カリフォルニア州のシリコンバレーに拠点オフィスを開設した。現地で15日(日本時間16日)に開所式を開き、起業家らにアピールする。徳島大が海外の企業などをターゲットに、「大学ブランド」技術のビジネスに乗り出すのは初めて。 

 米で技術移転コンサルタント事業も行う日系の薬品販売会社と提携。オフィスは、米アップル本社など先端企業が並ぶ同州クパティーノの提携会社の一角に設けた。パソコン、プリンターといった事務機器と1人分の席を備えている。

 セールスマンとなる担当職員が3~4カ月に1回、1週間程度滞在。セミナーや勉強会への出席などを通じ、技術紹介と人脈づくりを進める。

 ホームページでも開発技術を公開。常駐者は置かず、通常の応対業務は提携会社に委ねて、企業や研究者から技術活用や共同研究の依頼を受け付ける。

 将来的にはオフィスを拠点にシリコンバレーの企業や他大学の出先機関とネットワークを構築。学生の教育やインターンシップにも生かす方針。

 徳島大では国際化が進む中、国内企業にとどまらず海外企業との連携強化も重視。シリコンバレーには九州大や大阪大など既に国内の10大学が拠点を設けており、徳島大も昨年11月からオフィスの試験運用をしていた。

 開所式には、香川征(すすむ)学長をはじめ徳島大関係者8人が出席。米国で活躍中の日本人起業家らを招待し、徳島大の技術をアピールする。香川学長は「大学も積極的に海外展開する時代。米国との連携、交流の足掛かりにしたい」と意気込む。

 シリコンバレー 米カリフォルニア州の先端企業集積地域の通称。サンフランシスコ市南方の複数の都市にまたがる。アップルやグーグル、インテルなど世界的な先端企業が本社を置いている。

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