東北大が「災害科学研」設立へ 被災地支援学を創設『河北新報』2011年09月14日水曜日

『河北新報』2011年09月14日水曜日

東北大が「災害科学研」設立へ 被災地支援学を創設

 東日本大震災を受け、従来の防災・減災対策では対応できない課題を解決しようと、東北大が「災害科学国際研究所(仮称)」の設立計画を進めていることが13日、分かった。仙台市で同日開かれた震災に関する研究者の報告会で、東北大が明らかにした。

 研究所は2012年4月の開設予定。研究分野は(1)災害リスク(2)人間・社会への対応(3)地域・都市再生(4)災害理学(5)災害医学(6)社会連携―の6部門で構成される。

  災害発生後の生活再建や地域づくりをサポートする被災地支援学の創設が目玉。広範囲に被害が及ぶ大災害に対応する医学と医療体制の確立も設立構想に盛り込 んだ。従来の研究を発展させ、超巨大地震と津波の発生メカニズムの解明や次世代早期津波検知技術の開発、東日本大震災の研究分析に基づく減災技術の再構築 も掲げる。

 宮城県と同様に沿岸部で甚大な津波被害を受けた岩手県の岩手大、福島県の福島大をはじめ、東北を中心とした他大学との連携強化も図る。津波や災害医療、除染などに関する分野で共同研究などに取り組む。

 文部科学省には既に設置申請を済ませており、早ければ11月にも認可される見通し。

  東北大災害制御研究センター長の今村文彦教授(津波工学)は「今回の震災のように低頻度でも巨大な災害にも対応することへ、発想を転換しなければならな い。人と人とのつながりの形成や地域産業の再生など、復興に必要な『人間への支援』という要素を取り入れたのが大きな特徴だ」と説明している。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com