国立大学病院:3分の2で「領収書」発行せず『毎日新聞』2011年8月24日付

『毎日新聞』2011年8月24日付

国立大学病院:3分の2で「領収書」発行せず

 病院が医療費を払った患者に発行するよう義務づけられている、検査や投薬の内容を詳しく記した「領収書」と呼ばれる書類を、全国の国立大学病院の約3分の2にあたる27病院が発行していないことが文部科学省の調査で24日分かった。限られた予算の中で、発行機械の改修が遅れているのが理由。領収書発行を求めている患者団体などは「他の病院の見本となるべき大学病院で導入できていないのは問題」と指摘している。

 領収書は昨年、すべての患者に対して原則無料で発行するよう義務化された。患者にとっては受けた治療や投薬の記録として、薬害を実証する手がかりにもなる。

 調査は「全国薬害被害者団体連絡協議会」が要請し実施。その結果、全国42病院のうち、全患者に発行できていたのは15病院にとどまった。

 医療費支払いを機械化しても、その機械で領収書を自動発行できない場合は義務を除外される。発行していない27病院はいずれもそのケースだったが、国立大学病院を所管する文科省医学教育課は「できるだけ早く態勢を整えてほしい」と話す。【野田武】

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