短期留学 広大が支援 1年生5万円で豪・ベトナムへ『読売新聞』広島版2011年8月12日付

『読売新聞』広島版2011年8月12日付

短期留学 広大が支援  1年生5万円で豪・ベトナムへ

 海外への留学生が全国的に減っている中、学生の負担額5万円で約2週間の留学ができる広島大の支援制度が、成果を上げ始めている。就職活動もまだ先で、時間にゆとりのある1年生を対象に昨年度からスタート。残りの必要な費用(10万~20万円)を大学側が出し、返済は不要という手厚さも奏功し、募集枠の4倍近い希望が寄せられるなど好評だ。(島田喜行)

 文部科学省によると、海外の大学などに留学した日本人学生は、2004年の約8万3000人をピークに減り、08年は約6万7000人になった。不況で危機感を強めて就職活動を早く始め、留学に充てる時間を惜しむ学生が増えたのも要因とみられている。

 広島大でも留学する学生はここ数年、120人前後で推移。海外から受け入れている留学生が1000人を超すのに比べ、かなり少ない。海外の大学との提携など国際化が進む反面、学生が積極的になりにくい現状を変えようと、1年生を対象に14~16日間の短期留学支援制度を設けた。

 留学先は、短期留学生の受け入れ実績がある豪州のラ・トローブ大や、交流協定を結んでいるベトナム国家大ホーチミン市校。希望者を募ったところ、昨夏の初回(定員20人)は54人、3月の2回目(24人)は41人が応募。帰国後に長期留学を計画したり、国際協力を考えるサークルを作ったりするなど、学生の意識の変化も見られるという。

 23日からの3回目(同)にも91人が応募。広島大は14年度までの5年で500人の学生を留学させたい考えで、「留学経験は視野を広げて成長の糧になり、就職する際のアピールにもなるはず」としている。

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