『日本経済新聞』2011年7月20日付
福島大、原研と連携協定 除染や人材育成で協力
福島大学は20日、日本原子力研究開発機構と連携協力協定を結んだ。東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴う放射性物質の除染や原子力分野の人材育成などで協力を得る。福島大は災害復興のため内外の研究機関と連携を進めている。
協定では、福島県内の空間線量率の常時測定と分析、放射能汚染による生態系の変化の調査、環境の修復や放射性物質の除去技術などを継続して発展させるための人材育成などを盛り込んでいる。福島大に除染・除去などに関する研究室を設け、原子力機構から専門家の派遣を受けることも検討している。
両者はこれまで校庭の汚染土壌の除去などを共同で進めてきた。福島大は不在だった原子力分野の専門家の力を借りて復興に取り組む体制を強化する。今後、広島大や長崎大とも、放射線医学などの分野で連携協定を結ぶ方針だ。