山形大が「東北創生研究所」開設へ 震災受け、在り方探る『山形新聞』2011年07月13日付

『山形新聞』2011年07月13日付

山形大が「東北創生研究所」開設へ 震災受け、在り方探る

 東日本大震災を受け、中長期的な視点で新たな東北の在り方について研究、提案しようと、山形大は「山形大学東北創生研究所」を年度内にも開設する。震災 で、東北地方でも仙台圏への一極集中の弊害が浮き彫りになったことを踏まえ、エネルギー、医療福祉、農業、流通システムなどさまざまな分野で県内各地域と 連携して研究に取り組み、自立分散型の社会・産業システムを東北全域に提案する。

 研究所は社会創生研究部門と産業創生研究部門の2部門で構成。10年単位の中長期的な取り組みを見据え、全学部から40歳前後の若手教員30~45人程 度を研究員として集める。さらに部門長や研究所長、コーディネーターを合わせて数人、研究所専任教員として配置する予定。小白川キャンパス(山形市)内の 既存の建物を研究所として活用する。

 研究テーマは、社会創生部門が▽人口減少社会の在り方▽医療・福祉、教育・文化の分野における新たな社会モデルの構築-などで、産業創生部門が▽交通・ 流通体系の再構築▽エネルギー対策▽東北地方が食料生産基地となることを目指した農業の後継者育成、ブランド化、6次産業化-など。市町村単位で行政や地 元住民と連携し、自立できる地域づくりに取り組む。

 同大は研究所の運営費8000万円と研究所専任教員のポストについて、文部科学省に対し概算要求。認められなかった場合でも大学独自で開設する方針だ。

 結城章夫学長は取材に対し、東北大など被災地の大学に比べ、山形大がほとんど被害を受けていないことに触れ「新しい東北、日本をつくるために提言、実践 する必要がある。今回の震災によって、ものづくり、農業、医療福祉、教育などあらゆる社会システムが変わる。全学部を動員して検討していくべき課題だ」と 意義を説明している。

 

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com