京大と京都市、伏見に化学研究拠点 産学連携で13年度メドに『日本経済新聞』2011年7月2日付

『日本経済新聞』2011年7月2日付

京大と京都市、伏見に化学研究拠点 産学連携で13年度メドに

 京都大学と京都市は2013年度をめどに、化学分野に特化した産学連携の研究拠点を京都市伏見区の「らくなん進都」内に新設する。事業費は25億円で、経済産業省の支援を受ける。京都市は「らくなん進都」に研究所などの誘致を目指しており、新しい拠点の誕生は追い風になりそうだ。

 「高機能性化学研究開発拠点」(仮称)は、2002年に京都市が清酒メーカーから購入した工場跡地につくる。地上6階建てで、延べ床面積は6000平方メートルの予定。事業費のうち15億円を経産省の補助金で賄い、10億円を京都市が拠出する計画だ。

 新拠点では京大の淀井淳司名誉教授、平尾一之教授、北川進教授らの研究成果を基に、化学素材メーカーや電子部品メーカーと共同で素材を開発する。高品質の発光ダイオード(LED)用基板や燃料電池用触媒、アレルギーを予防できる化粧品などの実用化・量産を目指す。

 京大以外の大学にも連携を呼び掛け、最先端の研究プロジェクトを誘致する方針。施設内には企業向けに貸し出す研究室や、大学と企業の研究者が交流できるスペースを設ける。大型の太陽光パネルやコージェネレーション(熱電併給)システムを導入し、環境にも配慮する。

 同地区には京セラ本社などの施設があるが、研究所などは少ないのが現状。市は今回の拠点整備を機に、開発を加速したい考えだ。

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