不祥事の再発防止へ意識改革/香川大新学長に長尾氏『四国新聞』2011年5月25日付

『四国新聞』2011年5月25日付

不祥事の再発防止へ意識改革/香川大新学長に長尾氏

 「地域とともに発展する大学を目指す」。香川大の新学長に選出された長尾省吾氏(69)は24日、香川県高松市幸町の同大で記者会見し、抱負を語った。今月末の認可申請を見送った新学部のあり方など今後の大学の役割を明確にするため、学外有識者を交えた「香川大構想会議(仮称)」を早い時期に設置すると表明。昨年続発した不祥事の再発防止に向けては「社会体験を通して学生の意識改革を促したい」と述べた。

 学長選考会議が評価したのは、長年の病院運営などで培った経営感覚。長尾氏は会見で「東日本大震災の影響で国からの運営交付金は一層縮減されるはず。大学構成員の意識改革、経営改革が不可避」と言い切り、企業からの委託研究など外部資金の獲得に注力する考えを示した。

 長尾氏は「地域が大学に求める機能を早急に把握したい」と繰り返し強調。「構想会議」では県内企業や自治体のニーズを吸い上げ、大学の将来像について方向性を定めるという。その手始めとなる新学部の構想見直しでは「できるだけ早く一歩を踏み出したい」として、来年度の認可申請を目指す方針を明らかにした。

 昨年、学生らによる強盗事件や連続女性暴行事件などが相次いだ同大。規範意識向上のための取り組みについて、長尾氏は「学生に介護現場など実社会を体験させ、社会とへその緒でつながっていることを理解させたい」と述べた。

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