『読売新聞』2011年5月25日付

「香大、地域と共に発展」　長尾次期学長　旧医大教授、初選出

香川大の次期学長に選ばれた同大学名誉教授の長尾省吾・県厚生農業協同組合連合会理事長（６９）が２４日、高松市幸町の同大学で記者会見し、「社会に開かれた大学にしていきたい」と抱負を語った。

　旧香川医科大から学長が選出されるのは初めて。長尾氏は「地域とともに発展する大学を目指し、地域ニーズに合う人材育成を考えたい」と述べて、学外の有識者も加えた「香川大学構想会議」（仮称）の設置に意欲をみせ、新学部についても検討するとした。

　また、大学運営に関連し、東日本大震災の影響などで今後、国からの運営交付金が減るとの見通しを示し、「先頭に立って、外部資金を獲得していきたい」と話した。

　学長選には長尾氏を含めて３人が立候補。教職員の投票結果と所信表明を踏まえ、学長選考会議が決定した。教職員の投票では、長尾氏と伊藤寛・副学長が１７９票で同数だった。

　長尾氏は旧三野町（現三豊市）出身で岡山大医学部卒。１９９１年、旧香川医科大医学部教授となり、２００３年から０８年まで香川大医学部付属病院長を務めた。０８年７月から県厚生連理事長。