産学官で環境・エネ産業を育成 福井大に拠点開所『福井新聞』2011年5月19日付

『福井新聞』2011年5月19日付

産学官で環境・エネ産業を育成 福井大に拠点開所

 福井県と福井大、県経団連が整備を進めてきた「ふくい産学官共同研究拠点(ふくいグリーンイノベーションセンター)」の開所式が18日、福井市の福井大で開かれた。最先端機器を使った共同研究により、新エネルギーや省エネルギー分野の新素材や安全技術の開発を促進。県内の環境・エネルギー産業の育成に結びつけていく。

 開所式には、関係団体や県内企業などから約130人が出席。福田優福井大学長、西川知事、川田達男県経団連会長らが「日本が世界経済で勝つには技術革新しかない。大震災で注目された新エネなどの分野で共同研究を進め、地域発展に役立てたい」「中小企業が自前で持つことができない最先端機器を利用できる意義は大きい」「学生や企業の研究者の人材育成の場にしたい」などとあいさつ。テープカットを行い、開所を祝った。

 同拠点は、財団法人科学技術振興機構の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に3者が共同提案して、採択を受けた。福井大産学官連携本部?号棟の2~6階を拠点とし、物質の表面解析を行うイオンビーム加工・表面分析装置、エックス線を使い電子回路の内部を3次元的に検査するエックス線断層撮影装置など、30種類の最先端の試作・評価機器を設置した。

 2~3階には県内企業が分析や評価、加工などの機器を利用できる共同スペースを設置。4~6階は田中化学研究所、松浦機械製作所、清川メッキ工業、アイテックの4社が利用し、リチウムイオン電池や燃料電池、レーザー微細加工などについて同大と共同研究を進めていく。

 同拠点の総床面積は約1400平方メートル。総事業費は9億円。今後は、県産業労働部長が委員長を務める事業運営委員会が運営、管理を行い、福井大産学官連携本部が事務局として活動していく。

 同大産学官連携本部の山本勇本部長は「企業のニーズと大学のシーズをうまく組み合わせることで、福井から世界に通用する技術革新をつくっていきたい」と話していた。

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