佐賀大学の教員免許更新講座 定員オーバー相次ぐ『佐賀新聞』2011年05月15日付

『佐賀新聞』2011年05月15日付

佐賀大学の教員免許更新講座 定員オーバー相次ぐ

 佐賀大学の教員免許更新講習の受講申込者が本年度は急増し、定員オーバーした講座が相次いでいる。3年目を迎えた免許更新制度は、民主党が前回衆院選のマニフェストで抜本的見直しを打ち出し、政権交代後も事業仕分けなどで廃止の方針を示したが、衆参のねじれ現象もあり進展はない。教員は当面の制度存続を見越し、免許失効回避にかじを切っているようだ。

 大学では昨年10月、県内の更新対象の全教員に受講の意思や希望講座などを確認する事前アンケートを実施。受講希望者は延べ3209人となり、総定員を3325人に設定した。ところが4月中旬から受け付けを始めると、期限までに定員を約400人上回る3718人が申し込み、定員内に収まっていた前年度までの状況から一転した。

 教員免許更新制は2009年度からスタート。免許有効期限を10年とし、2年間で必修12時間、選択18時間の受講を義務付ける。県外の大学でも定員を上回るケースが出ているといい、佐賀大教員免許更新講習室は「ニーズに合うよう設定していたので予想外。制度廃止をにらんで様子を見ていた人と、継続を見込んで早く受講しようと思った人が同時に申し込んで集中したとみられる」と分析する。 

 受講する佐賀市の30歳代の教員は「衆院選では更新制廃止の話も出ていたけれど、今後も続くだろう。更新しないと死活問題なので早く済ませたいと思った」と話す。 

 新規申し込みのうち筑後地区など県外からの受講者は20・5%で、前年より4・1ポイント増加、他県の受け皿にもなっている。大学は定員や講座数を増やし、7月16日から新講座の申し込みを受け付ける予定。更新制は中央教育審議会で教員養成課程も含めた制度見直しを論議しているが、結論の見通しは立っていない。

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