連携研究拠点が開所 とっとりバイオフロンティア『日本海新聞』2011年4月27日付

『日本海新聞』2011年4月27日付

連携研究拠点が開所 とっとりバイオフロンティア

 鳥取大学の染色体工学技術を活用した産学官連携の研究拠点「とっとりバイオフロンティア」が米子市西町の鳥取大米子キャンパスに完成し、開所記念式典が26日、行われた。鳥取県は同施設を核に製薬や食品などバイオ関連産業の集積を目指す。

 施設は、どんな大きさの遺伝子でも細胞内に安全に導入できる、鳥取大が確立した技術を使って新薬開発や機能性食品の効果を検証する企業・団体の研究拠点。鉄骨3階建て延べ1260平方メートルに、貸し出し用の8室と、レーザーを使って細胞を立体観察できる研究機器を備えた共用実験室などがある。

 独立行政法人科学技術振興機構の研究拠点整備事業から交付された約8億4千万円で研究機器などをそろえ、鳥取県が建設費約5億2千万円を負担。本年度から3年間は指定管理者の県産業振興機構が管理運営する。

 また、1994年に新日本海新聞社の吉岡利固社主兼社長と県西部の若手経済人が中心となって設立された鳥取バイオサイエンス振興会が研究を支援している。

 式典で県の山根淳史商工労働部長は「10年以上前からバイオを官民挙げて支えていこうという情熱の成果が実った。企業誘致や人材育成に全力で取り組む」とあいさつ。鳥取大の能勢隆之学長が「研究が建物や設備として形になり、産学官連携を本当に実現できた。皆さんの期待に応えたい」と述べ、関係者がテープカットをした。

 同施設には現在、染色体工学技術を活用する鳥取大発のベンチャー企業「クロモセンター」と鳥取大染色体工学研究センターが入っている。企業などから問い合わせが寄せられており、随時施設入りを許可する審査が行われる。

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