『福井新聞』2011年3月30日付
医師の残業代1180万円未払い 福井大病院に是正勧告
福井大附属病院は29日、宿日直勤務の医師に超過勤務手当を一部支払わなかったとして、福井労基署から是正勧告を受けたと発表した。昨年末までの過去2年間で、175人に対して計約1180万円が未払いだった。
未払いの手当は1人当たり3千円~20万円。いずれも当時非常勤医師で、102人が現在も同病院に在職し、残りは退職している。同病院は4月に未払い分を支払う。
同病院によると、午後5時半~翌午前8時15分までの宿直勤務と、土日祝日の日直勤務時には各勤務手当に加え、診療業務を行った時間に応じて超過勤務手当を支払う必要がある。超過勤務手当は各医師の申告制。福井労基署の立ち入り調査で、投薬指示や外来患者の対応など一部の診療業務を行った際に申告がなかったことが分かった。
同病院は、超過勤務の対象となる業務範囲の指導が不徹底だったことが原因とし、業務範囲を明確化した指針を作成するなどの再発防止策をとったという。
福井大の福田優学長は「労働関係法令の順守に一層務めます」とのコメントを出した。