外国人向け災害情報工夫へ/弘大 『東奥日報』2011年3月17日付

『東奥日報』2011年3月17日付

外国人向け災害情報工夫へ/弘大 

 弘前大学人文学部の社会言語学研究室は15日、東日本大震災で被災した外国人を支援するため、「余震」を「後で来る地震」に言い換えるなど、各種情報を外国人に伝わりやすい文言に書き直したり、掲示物に加工する活動を始めると発表した。国際交流協会や行政への協力を想定している。

 同教室の佐藤和之教授は「的確な情報を受け取れれば適切に行動でき、将来への希望につながる」と意義を強調している。

 佐藤教授らは、2010年に「『やさしい日本語』版災害基礎語彙(ごい)100」を完成させるなど、災害時に外国人向けの情報を分かりやすく伝える仕組みづくりに携わってきた。

 「炊き出し」は「温かい食べ物を作って配る」、避難所は「みんなが逃げるところ」に言い換えるルールを作ったり、内容がすぐ分かるイラストを考案するといった活動だ。

 「特に今回の地震では、都市部の公共交通機関まひで生じる外国人帰宅困難者への情報伝達や、原子力災害による放射性物質の飛散に対する的確な避難指示が必要」と佐藤教授は指摘する。

 支援活動は各被災地の国際交流協会と国際課、防災課、さらには被災地で外国人対応に当たっているNPOやボランティア団体を対象に想定。学生も参加し、要請に応じて、「やさしい日本語」で書いた掲示物や配布物、ラジオ・テレビの字幕、広報車・防災無線等で読み上げる文案などの作成を手掛ける。

 地震発生時、東京・銀座にいて、3日目に大阪経由でやっと帰宅したという佐藤教授は「ささやかでも、研究室一同で支援活動のお手伝いができれば」と話している。

 申し込み・問い合わせは同教室(電話0172-39-3227、メールkokugo@cc.hirosaki-u.ac.jp)へ。※「@」を半角にしてください

 

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