『読売新聞』2011年2月19日付
下宿の大学生、生活費5万円
親世代と同水準、仕送りは月7万円
親元から離れて暮らす大学生への仕送り額が4年連続で減少したことが、全国大学生活協同組合連合会(東京)の調査でわかった。
住居費などを除いた生活費は、親世代かそれ以前にあたる1978年の水準にまで落ち込んだ。
調査は全国の国公私立31大学の学生が対象。昨年10~11月に実施し、9871人から回答を得た。
マンションやアパートなど自宅外から通う学生は約半数を占め、仕送り額は月平均7万1310円と、前年より2750円の減。ピークの96年に比べ約3万円も減った。全く仕送りを受けていないのは自宅外生の10・5%で、昨年に続いて1割を超えた。仕送りが減る中、受けている奨学金の平均は2万6740円と、前年より310円増えている。
自宅外生の住居費や貯金にあてる額などを除いた「生活費として使える額(食費、交通費、書籍費など)」は5万2670円と、親世代かそれ以前にあたる78年と同水準になった。この間、物価は上昇しており、大学生協連では「我慢の生活を送っている学生が多い。安く購入できる冷凍食品を使った弁当を持参したり、研究室で自炊したりする学生が当たり前になっている」と分析する。
一方でアルバイト収入は自宅生、自宅外生ともに減少しており、特に自宅から通う大学4年生のアルバイト収入は月平均3万260円と、前年より約1割も減った。
このほか、4年生が就職活動にかかった費用(2010年4~9月の半年間)を地域別にまとめたところ、北海道が9万3300円、中・四国が8万2700円と高く、神戸3万8900円、南関東(1都3県)4万3400円が低かった。企業訪問の交通費の差が出たものとみられる。
大学生協連では「保護者の収入減で仕送りが減り、学生の生活が苦しくなった。就職活動が長引き、アルバイトをする時間も削られている」としている。