国公立3大学、「共生」進む 授業相乗り・編入学費優遇『朝日新聞』2011年2月4日付

『朝日新聞』2011年2月4日付

国公立3大学、「共生」進む 授業相乗り・編入学費優遇

 一般教養の授業の相乗りに合意した京都工芸繊維大(左京区)、府立大(同)、府立医大(上京区)の3大学。国公立の枠組みを超えた異例の取り組みは、近年の独立行政法人化が後押しする格好となった。工繊大は私立大とも連携をはかる。少子化時代、生き残りをかけた動きはなお続きそうだ。

 工繊大は2004年、府立大と府立医大は08年に独立行政法人となった。3大学は06年、研究や教育で連携を図る包括協定を結び、法人化で足並みがそろった後、「共生」の動きを活発にさせた。

 まず工繊大と府立大は今年度から、双方の大学間で編入学を希望する学生に対し、受験料と入学料を免除する優遇策を始めた。そして今回、府立医大も加わり、一般教養の授業の共同化に合意した。早ければ2014年度から、府立大のキャンパスに建てる校舎で相乗り授業を始める。合同のゼミも検討する。

 なにより、自転車なら数分で行き来できる近さが決め手になった。規模の大きい大学に比べて授業や教員の数が少なく、相乗りによって学生の選択肢も広がる。府立大と府立医大を運営する府公立大学法人の神山(こうやま)俊昭・経営戦略室長は「京都には総合大学の巨人・京大がある。力を合わせて独自のカラーを打ち出さないと、優秀な学生が集まらない」とねらいを話す。

 さらに工繊大は、徒歩約10分の距離にある私立の京都ノートルダム女子大(左京区)とも連携を進める。09年、教職員の交流や共同事業の推進に向けた協定を結んだ。その一環で1月下旬、工繊大の学内に女子大が建てた講義棟「ノートルダム館」が完成。4月から女子大の授業が始まり、スクールバスも走る。私立大の施設が国立大の学内に建つのは例がないという。

 ただし、講義棟はあくまで仮校舎。女子大キャンパスの校舎の建て替えが終わる予定の3年後、工繊大が場所を提供した代わりに無償で譲り受ける。事業費は約3億3千万円。女子大にとっては、学内が手狭になることや工事の騒音を避けられる利点があった。工繊大評価・広報室の林徹室長は「私立大との連携は、法人化前には考えられなかった。『箱もの』に厳しい折、当方にとっても財政面で大きなメリットがある」と話す。

 また、府立大は、キャンパスに隣接する府立総合資料館の建て替えを機に施設の刷新を計画する。新しい資料館の中に、府立大の図書館や文学部の研究室を併設。膨大な歴史資料を活用し、京都の歴史・文化研究で成果をあげたいという。2014年度中の開設をめざしている。(渡辺秀行)

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