『朝日新聞』 2011年2月14日付
学費免除、きたれ大学へ
長崎国際大(佐世保市ハウステンボス町、潮谷義子学長)は2011年度から、児童養護施設の入所者ら進学の困難な高校生らを対象に、入学金や授業料を免 除する特別奨学制度を新たに始める。社会福祉学科で最大5人を募集。「家庭的・経済的苦境を経験した生徒たちこそ、社会福祉を担う人材にふさわしい」と大 学は期待する。
対象は、児童養護施設入所者や生活保護受給世帯の子弟ら、家庭や経済的な事情で進学の出来ない県内在住の高校生や既卒者ら。減免額は入学金と4年間の授業料、教育施設の維持管理費など計約377万円。教科書代や実習費などは自己負担する。
面接重視のAO(アドミッション・オフィス)入試で選考する。3月22日まで出願を受け付け。出願後に随時実施する面接や課題リポートの結果と、経済事情を勘案した上で合否を決定する。
厚生労働省の昨年の全国調査では、児童養護施設からの大学などへの進学率は13.0%(高卒者全体で54.3%)。県内でも12.5%(同43.2%) にとどまっている。長崎国際大社会福祉学科の山本主税学科長は「家庭・経済事情から進学を断念せざるを得ない生徒たちの大学進学の夢をかなえることは、地 域に根ざす大学の社会的使命だ」と話す。(市川雄輝)