大学側「試験に集中できぬ」 3年12月の就活開始批判『朝日新聞』2011年1月26日付

『朝日新聞』2011年1月26日付

大学側「試験に集中できぬ」 3年12月の就活開始批判 

 「就職活動で学生が試験に集中できなくなる」。企業の採用活動の開始時期について、日本経団連が大学3年の12月以降にするよう提案したことに、大学側からこんな批判がでている。経団連は3年秋より遅らせる考えだが、冬は大学内の試験シーズン。大学団体は採用活動の開始を翌春以降にするよう求め、近く声明を出す予定だ。

 企業の採用活動は現在、大学3年の10月ごろ開始。就活で学生が授業に出られないなどの問題が指摘され、経団連は会社説明会などを12月1日以降にするよう企業に求めると決めた。しかし、採用活動が本格化する時期が大学の試験が集中する1、2月とぶつかる可能性があり、大学関係者は「就活を優先して試験を受けられず、単位を落とすこともありえる」と指摘。「大学3年が終わるまでは学業に専念させるべきだ」として、国立大学協会は大学4年が始まる4月以降に、日本私立大学団体連合会は春休みに入る3月以降に採用活動の開始時期を遅らせるよう、経済界側に求める方針だ。

 中央大の永井和之総長は「経済界は大学内の事情も考慮してほしい」とし、名古屋大の浜口道成総長も「人間として成長する時期にあてるためにも、採用時期は遅らせるべきだ」と話している。

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