鈴木文部科学副大臣記者会見(2010年11月11日)より大学関連部分

鈴木文部科学副大臣記者会見(2010年11月11日)より大学関連部分

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1298867.htm

記者)
副大臣、昨日の質疑の中でですね、桜井副大臣からだと思うんですが、国立大学の在り方についてですね、全体がこう、ミニ東大を目指すベクトルではないと、機能分化を進めるべきだというふうな意見が上がりましたけれども、これについての認識を改めてお願いします。

副大臣)
私もまったく同感です。それで去年からですね、私もそれぞれの大学がどういうミッション、あるいは役割を担っていくのか、その研究と教育、その研究の中でもいろんな研究があります。教育の中でもいろんな教育があります。そのポートフォリオといいますかですね、世界的な研究、それから地域経済、地域産業に役立つ研究とありますが、これをどういう比率でですね、やっていくのかと。それはやはり東京大学は世界的研究を主にしてですね、地域的研究というのもないわけじゃないと思いますが、それはそういうポートフォリオになるんだと思いますし、地方の国立大学はですね、やはり地域経済、地域産業を支える研究というものが主になっていくということは、これまでも中教審の中で議論をされていましたし、更には新しい、我々の検討の枠組みの中でもですね、そういうポートフォリオを教育について、研究について、きちんと考えていこうねと。さらに、その中でですね、やっぱり大学間の連携、今、連携大学院とか共同大学院とかですね、獣医の世界だとかですね、獣医学部の世界だとか、そうした分野では少しずつ始まっていますけれども、そういうこともちゃんとやっていかなければいけないし、そういう意味ではまったく同じ問題意識でありますし、今回の御指摘を機に、その議論はきちんとやっていきたいというふうに思っています。ただ、結局、昨日も少し申し上げましたけれども、この7年間、あまりにも厳しい、これもまた別の現場から出てきましたけども、最初はですね、予算の効率的な利用ということでいいことだと思ったと、1年目、2年目は。しかし、それが、もうずーっと7年間続く中でですね、本当に消耗していると。そして、法人化と重なったということもありますけれども、法人化後の3年ぐらいは、正に法人化に伴うですね、いろいろな、組織改編に伴う作業というものに追われ、そしてその後はですね、予算を確保する、あるいは予算が切られる中での経費の節減と。それもなかなかぎりぎりのところにきている。さっきの電気代や暖房代、あるいは電気代を節約するためにですね、この年末年始の休みの実験器具の電気は止めなきゃいけないと、こういうようなこと。こういうことになるとですね、やはりしかし生物系の実験なんかはですね、これ、ずーっとやんなきゃいけないと、こういうこともあります。そうすると、その対応をどうするのかという、まあそれぐらい疲弊をしていると。そういう中で、私も早く、このミニ東大を脱して、それぞれの大学が、そうしたミッション、ポートフォリオ、役割というものを生かしたリエンジニアリングにですね、執行部をはじめ各研究者の皆さんの意識が向かうようにですね、そういうやっぱり環境を作っていくのが政治の役割だと思っています。結局、この7月以降もですね、10パーセントショックでもって大学の主要な先生方はですね、執行部をはじめとして教授陣はですね、正にその中での対応、そしてこれまでのひずみの是正、そうしたことに奔走されててですね、なかなか落ち着いて大学の将来や、あるいは研究の未来や教育の未来ということを語れる、そうした雰囲気にないと。そうしたことをまず救っていくということが大事ではないかと私は思っておりまして、昨日もそういうことを申し上げたかったということでございます。

記者)
今、おっしゃったように、実際にずっと産官一致でですね、骨太以来ですね、ずっと減らされてきた国立大学予算の、まずは機能回復といったものがまずは基盤にあって、第2ステップとして、そういった機能分化といったものを進めていく、そういうふうな想定というか、イメージなんでしょうか。

副大臣)
それはそうでありませんで、今年は正に大学の年ということを申し上げてきました、大学関係者にも。そして大学のセミナーや、あるいは大学関係者が集まる国大協の総会、あるいは私立大学の関係者の皆さんとの懇談等々においてですね、私もずーっと申し上げて参りました。そうした検討もですね、始まりつつあります。それから、特にですね、今回の要望枠に当たって新成長戦略ということを軸に要望を組み立てております。例えば、要望、大学に関する要望はですね、大きく申し上げると2つあって、一つは世界最先端の研究開発拠点としての再構築と、こういうことですね。そして、リーディング大学院と、こういう話になっていくわけですけれども。それからもう一つはメディカル・イノベーションと、こういったことが柱です。これはいずれもですね、新成長戦略ですね。これには結局、大学が大学として将来のグランドビジョンを描くというのが当然なんですけれども、これまでは、ある意味では大学の自主性に任せた、そうしたグランドビジョン作りということは口では言われてきましたが、さっき申し上げたような要因で、なかなかそれが進んでこなかったと。そういう中で今年私がずっと申し上げているのは、大学のステークホルダーと一緒にそうした議論を始めましょうということを申し上げています。大学のステークホルダーの重要な一つがですね、産業界ということでありまして、正にリーディング大学院というのはですね、産業界と一緒に大学のシーズを基に新しい経済社会に付加価値を創造できる人材というものを育成する、あるいはそういう拠点を作ると、こういうことで産学一緒になって我が国の量的、質的成長に資する、そういった大学改革をしましょうと、こういうことを申し上げてきた結果ですね、正にこれまでの、8月30日までの約8ヶ月間のそういう議論のプロセスがあったからですね、要するに要望枠要求ができているわけです。あんなもの、すぐ思いついたってですね、大学はついてきませんから。それは、やっぱりそういう議論で、その途中で6月の成長戦略というものがあって、そういう中で積み重ねてきました。それから、メディカル・イノベーションについては皆さん御承知のように更に進んでいまして、先般もメディカル・イノベーションの政務会合がですね、更に新成長戦略の一つのプロジェクト・チームのセクションとしてオーソライズされました。そして、これはいずれは内閣官房、あるいは内閣府の方にですね、ヘッドクォーターができて3省庁体制でやっていくと。そして、ここの中心的なメンバーといいますかスタッフにはですね、大学関係者が入っていくと、こういう研究会の人材が入っていくと、こういうところまでですね、きています。で、やっぱりここまでくるのには、正にこの1年間のですね、いろんな議論の積み重ねがあって、そして幸い大学の皆さんもですね、こうした我々のある種方針にですね、大学の発展についての腰の入った方針に対して信頼もしていただき、そして賛同もしていただきですね、大学の自治というものを乗り越えてといいますか、それはもちろん大事なことですけども、それを更に踏み越えてですね、やっていただいていますし、それから大学間の連携についての御議論もですね、相当本格化をいたしております。こういうことは、メディカル・イノベーションも、例えば8月の末にはですね、全国医学部長会議では、そういうグランドビジョンの検討会議もきちんと発足をして、そういうことをフォローアップしていただいているということと連動してあの要望が出ているということです。

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