長崎大学病院が国際医療センター開設へ 感染症、被ばく者治療『長崎新聞』2011年1月3日付

『長崎新聞』2011年1月3日付

長崎大学病院が国際医療センター開設へ 感染症、被ばく者治療

 長崎大学病院(河野茂病院長、長崎市坂本1丁目)は今年、エボラ出血熱やペストなど危険性の高い1類感染症や世界の被ばく者を治療する病床を備えた「国際医療センター」を開設する。感染症や被ばく者治療など長崎大学が蓄積した研究成果を臨床に生かすとともに、緊急を要する新興感染症の患者や放射能漏れ事故などに対応する。

 同病院によると、センターは敷地内にある別棟の旧精神科病棟(3階建て一部平屋計2238平方メートル)を改修し整備。1類感染症病床(2)、被ばく者医療病床(4)、一般感染症病床(12)などを配置する。

 国は1類感染症の病床を各県に設置するよう促しているが、これまで県内にはなかった。1類感染症の病床は病原菌などが外に漏れないよう気圧を低く(陰圧)保ち、水なども滅菌消毒して排出する。

 被ばく者医療病床では、被爆者や在外被爆者などの治療に当たり、県内や佐賀県で放射能漏れ事故などが起きた場合は患者らの収容、治療に当たる。救急医療病床の一部も配置し海外や若い医療従事者の研修、教育の場にもなる。

 1月初旬に着工し7月に落成、年内の運用開始を目指す。総整備費は約8億円の見込み。河野病院長は「長崎大学が取り組んできた感染症や被ばく者医療の研究と臨床を橋渡しする役目を担う。若い医師らがここで国際医療や救急医療を学び世界で貢献できる人材となることを期待している」としている。

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