ニュースレター NO.26
2010、12、15
公正な学長選考を求める裁判を支える会
事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内
(TEL/FAX 088-844-1489)
裁判報告
ー任命無効は認められず しかし「票すり替えの可能性」が指摘される!
高知大学の全構成員の皆さん。
裁判の緊急報告です。
結果はすでに新聞等で報道されているとおり、根小田先生については、訴え却下(つまり原告適格が認められず)、高橋先生については訴え棄却(原告適格は認められたが敗訴)でした。
法廷で言い渡されたのは主文(つまり、「棄却」と「却下」)のみ。判決理由の朗読もなし。開廷後報道機関による2分間の撮影がありましたが、中身は次回の日程調整がない分、今までで最も短時間で終わり、我々もいささか拍子抜けでした(一分もかからなかったのでは)。
判決後ただちに私たちは弁護士会館に移動し、報告集会を開きました。「支える会」のメンバーが司会を行い、まず弁護団から判決について解説がありました。
判決の全文はA4で31ページの大部なもので、その場で読んで全体を解説するのは無理なのでポイントのみをピックアップして説明が行われました。評価できる点としては、高橋先生の原告適格を認めたこと、票のすり替えの可能性も否定できないとしたこと(これについては裏面に詳しく)が挙げられました。
しかし他方で、票のすり替えにかかわる疑いについてはあくまで関わった個人の問題とされ、このような不正行為についてきちんとした調査も処分も行わない大学組織の問題としては捉えられていないことが指摘されました。そして、意向投票結果の取り扱いについては、学長選考会議委員の裁量にゆだねられているとした上で、一連の手続きについて「無効ないし取り消し事由となるべき違法は認められない」と結論付けられていることが説明されました。
内容についての質疑のあと両原告から「法人化以降の学長選考方式の問題点を、本訴訟を通じて明らかにしようとしたが、今回の判決はそこまで踏み込んでいないのが極めて残念」という内容のコメントがありました。
最後に、「支える会」会長が両原告、弁護団、支援してくれた人たちへの感謝のことばと、今後の闘いの決意を述べて会は終了しました。
闘いはまだまだ続きます。支援してくれた皆さん。これまでのご支援を感謝します。「任命無効」は認められませんでしたが、高橋先生の原告適格が認められたこと、票すり替えの可能性が指摘されたことは「半歩前進」でしょう。「次の一歩」にむけて今後ともご支援をお願いします。
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判決の「事実及び理由」より
2人の職員の行動に対する疑惑について記載された部分を以下そのまま引用します(判決書24ページ。なお原文は実名ですが、ここでは仮名とします。アンダーラインは編集部。
引用者注:本メールではアンダーラインが引けないため、代わりに該当箇所にカギ括弧を付している。)
KはIから、集計箱の保管と管理を依頼されただけであるのに、投票用紙や関係書類を整理しようと考え、さらには投票用紙の枚数を確認したというのであるから、「その行動の不自然さは際だっているし」、集計箱の管理の依頼さえ受けていないBがKと共に投票用紙の枚数を確認したというのも「不可解な行動というほかない」。この点、投票用紙の混入を発見した経緯について、同人らは、Kが、集計箱を耐火金庫に保管した後、Bが、Kに対し、集計箱の整理をすることを持ちかけ、それぞれが耐火金庫から集計箱を取り出して、これを整理しようとした際、Bが、高橋票集計箱の中に相良票が混入しているのを発見した旨証言し、Bにおいては、Kにこのような話を持ちかけたのは、集計箱に入っていた関係書類を整理しようと考えたからである旨証言しているところである。「かかる同人らの証言内容は、学内意向投票の結果が確定した後に、なんらの権限もない同人らが、投票用紙の再確認という行為に及んだことを合理的に説明するものとは到底評価できず」、Bが、自らが予定していた整理の具体的な方法や、投票用紙の混入を発見したときの状況などにつき曖昧な証言に終始していることと相俟って、「同人らが共謀して投票用紙をすり替え、あるいはBが、集計箱の整理を装って、Kに耐火金庫を開けさせ、投票用紙をすり替えた可能性も否定できない」と言うべきである。
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以下のメールが、判決を聞いた県外で働く卒業生から届きました:
「難しいことは分かってはいたんですが実際負けを言い渡されるとやっぱり辛いですね。悔し過ぎて怒りがとまりません(´`;) 常識で考えたらどっちがおかしいかなんて明白なのに!!!!!!」
私たちはこのような学生に「世の中なんてこんなもの、長いものには巻かれろ」と教えなければならないのでしょうか。