福井大、予算減見通しに抗議「高等教育だめになる」『朝日新聞』福井版2010年12月3日付

『朝日新聞』福井版2010年12月3日付

福井大、予算減見通しに抗議「高等教育だめになる」 

 福井大学の福田優学長は2日、県庁で会見し、国の来年度予算の特別枠1兆円余りの内容を検討する評価会議(政策コンテスト)で、大学関連予算が大幅に減額される見通しとなったことに抗議の意を表明した。年間予算の1割にあたる約9億円の影響が出るとの試算を示し、「このままでは高等教育がだめになる」と訴えた。

 1日にあった政策コンテストで、文部科学省関連の10事業がいずれも予算減額と判定された。福井大は授業料減免のための予算1.6億円、新規研究プロジェクト予算1.2億円など、最大で計9.3億円の予算減につながる恐れがあるという。

 福田学長は学生へのアンケートの結果から、福井大の学生の約3割は家庭の年収が500万円以下にとどまると説明。現在は約1千人が授業料の減免措置を受けているといい、「大学が身銭を切ることになる。教育の危機と言わざるを得ない」と述べた。

 福井大は9月、来年度予算で大学の関連予算が削減されることを想定し、福田学長が自ら街頭に立つなどして署名運動を展開し、10月に7千人分の署名を国に提出した。福田学長は「多くの方に支援をいただいたが、大変厳しい結果になった。復活折衝に向け、8日の国立大学協会の臨時総会で強く団結を呼びかけたい」と話した。(笹川翔平)

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