修学困難な学生支援 神戸大が緊急奨学金『神戸新聞』2010年10月27日付

『神戸新聞』2010年10月27日付

修学困難な学生支援 神戸大が緊急奨学金
 

 経済情勢の悪化を受け、神戸大学(神戸市灘区)は今秋、保護者の解雇、死去や勤務先の倒産などで修学が困難となった大学生、大学院生に、一時金25万円を支給する「修学・生活支援緊急奨学金18件」制度を始めた。

 申請は「随時」受け付けとし、返還義務はない。神戸大学生生活課は「意欲ある学生が、経済状況にかかわらず学び、将来の目標を達成できるようにしたい」と話す。

 緊急奨学金18件は、卒業生や保護者、法人などの寄付による「神戸大学基金」を活用。保護者の解雇や倒産のほか、病気による失職、退職、風水害による被災などから、修学や生活が著しく困難になった学生を対象とする。審査し、申請から2カ月以内に給付するという。

 当初、来春から始める予定だったが、「近年の不況で、経済的に修学困難になる学生が多くなってきた」として半年間、前倒しした。学生生活課によると、2010年度前期の授業料免除の申請が、ここ5年で最多の1797人。前年度前期に比べ約300人も増えた。

 家計が急変した大学、短大生らを対象にした奨学金には、日本学生支援機構の「緊急・応用採用奨学金」(貸与、月額3万円から)があり、09年度は全国で5128人が活用。長引く不況などを反映し、08年度と比べ、1129人増えたという。 (中島摩子)

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