基礎研究から臨床試験まで一貫 九大が新センター設置『読売新聞』福岡版2010年10月21日付

『読売新聞』福岡版2010年10月21日付

基礎研究から臨床試験まで一貫 九大が新センター設置

 九州大は20日、基礎研究から臨床試験までを一貫して行う「先端医療イノベーションセンター」の概要を発表した。センターが入るビルは来年3月、九大病院地区(福岡市東区馬出)に完成し、同4月から運用を始める予定。同様の施設は国内の大学では初めてという。(中村明博)

 同大によると、疾病に関する臨床研究の成果を医療現場に反映させる際、研究開発から臨床試験までの過程を統合し、安全、迅速に一貫して実施する施設が国内には整備されてない。このため、医療機器や医薬品が実用化されるまでに時間がかかり、先に出回る海外製品が導入されるケースが多いという。そこで、最先端の医療技術や研究成果を少しでも早く、医療現場に役立てるため、一つの施設に機能を集約した。

 センターは6階建てで、延べ床面積約5000平方メートル。技術開発と臨床研究を行う「プロジェクト部門」、医薬品や医療機器の開発期間とコストを圧縮して実用化を早める「臨床試験部門」、先端研究や臨床試験を通じて人材育成を行う「教育研修部門」、各部門を横断的にサポートして産学官の連携や管理事務を担当する「渉外企画部門」を置く。

 センターはすでに、医療機器やIT関連、創薬などの企業約40社と共同研究の契約を結んでいるという。

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