秋田大・県立大が共同大学院を検討 「循環型社会」研究『河北新報』2010年10月14日付

『河北新報』2010年10月14日付

秋田大・県立大が共同大学院を検討 「循環型社会」研究

 秋田大と秋田県立大が共同で、循環型社会の実現をテーマとする大学院の設置を検討していることが13日、分かった。製品の設計から製造、販売、リサイクルに至る一連の流れに注目し、資源を有効に活用する社会の仕組みを研究する。複数の大学が共同で大学院を設置するのは東北初の試みで、2012年4月の開設を目指す。

 共同大学院は現在ある専攻とは別に、秋田大と県立大に新設し、専攻名を統一する。キャンパスは両大学の施設を活用。専任または兼務の教員を配置する。2年間の博士課程前期を想定し、修了者には両大学連名の学位を授与する。

 秋田大は資源や環境、リサイクルなどの研究に力を入れ、県立大は人材育成や事業の効率化といった経営の視点を工学分野に取り入れている。共同大学院には、両大学の特徴を生かし、相乗効果を生み出す狙いがある。

 設置の検討は2年ほど前に始まり、今年に入って準備委員会を発足させた。今後、人員体制などを詰めるとともに、文部科学省に設置を申請する手続きを進める考えだ。

 秋田大と県立大は05年、県内のほかの大学などとともに連携組織「大学コンソーシアムあきた」を設立。社会人や中高生向けの講座、授業単位の互換などで協力関係を築いてきた。共同大学院もこうした連携の延長線上に位置付けられる。

 共同大学院は08年、大学設置基準の改正に伴い、設置が可能になった。文科省によると、早大が10年4月、東京農工大、東京女子医科大、東京都市大の3校とそれぞれ共同大学院を開設している。

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