歯学14校、入試2倍未満…私立大17校調査 文科省、定員減指導へ『読売新聞』2010年9月14日付

『読売新聞』2010年9月14日付

歯学14校、入試2倍未満…私立大17校調査 文科省、定員減指導へ

 全国に17校ある私立歯科大・歯学部のうち14校で、受験者数を合格者数で割った今年度の「入試競争倍率」が2倍を下回り、そのうち、9校が1・1倍未満と無競争に近い状態だったことが、文部科学省の調査で14日わかった。私立歯科大では、昨年度から2年連続で過半数の大学が定員割れしており、選抜のハードルを下げて合格者を増やした大学が多かったためとみられる。同省では、大学の歯科教育の質が損なわれる恐れもあるとして、定員削減などの指導を強める方針だ。

 入試結果は、14日開催の文科省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」で報告された。それによると、国公立を合わせた歯科大・歯学部29校のうち、私立の14校で入試競争倍率が、選抜機能が十分に働く目安とされる2倍を割り込んだ。

 2年前の2008年度には、2倍未満は7校にとどまり、その多くが1倍台の後半を維持していた。それが、11校で最大4割強の定員割れが起きた昨年度には、2倍未満が13校に一挙に拡大、1倍台前半の大学が多数を占めるようになった。

 背景には、歯科診療所の過当競争で「歯科医は高収入」といったかつてのイメージが崩れ、歯学部の人気が落ちていることがある。

 今年度の入試では、私立大の受験者が4318人と前年度比で650人減った影響を受け、定員割れの校数は11校と同数だったが、最大7割弱と欠員率が拡大。このため、11校で昨年度より競争倍率が低下した。

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