『読売新聞』2010年10月14日付
福井大国際原子力工学研の体制強化…移転予定地で安全祈願祭
将来的に教員10人増
建設予定地で行われた安全祈願祭(敦賀市で)
2012年度にJR敦賀駅近くに移転する福井大国際原子力工学研究所(福井市文京)の新築工事の安全祈願祭が13日、敦賀市鉄輪町の建設予定地であった。福田優学長は終了後の報道陣の取材に対して、専任教員や客員教員ら約40人のスタッフを将来的に10人程度増員し、体制強化を図る意向を明らかにした。
研究所は昨年4月の開設で、来年度から学生を受け入れる予定だ。今の実質的なスタッフは専任教員8人と客員教員ら約30人。福田学長は、今後の体制について「(専任教員の)増員を文部科学省に要望している」と説明。さらに「電力会社などから非常勤の教授を招聘(しょうへい)するなど、50人のスタッフと学生40~50人の受け入れを検討している」とした。
新研究所は鉄筋3階建て(延べ約7000平方メートル)で、講義室や実験室などを備える。建設費は設備の購入費なども含めて約17億7000万円。来年12月中旬に完成する。敦賀市に高速増殖炉や沸騰水型、加圧水型など、タイプの異なる原発が集中する強みを生かし、原子力を担う人材の育成に取り組む。
安全祈願祭には関係者約70人が出席し、工事の無事を祈った。同市の河瀬一治市長は「敦賀が原子力関係の知の拠点、発信地になれば」とあいさつした。