弘大が加藤謙一文庫開設『陸奥新報』2010年9月8日付

『陸奥新報』2010年9月8日付

弘大が加藤謙一文庫開設

 弘前大学(遠藤正彦学長)は、同大学前身の県師範学校卒業生で、戦前戦後を通じ少年雑誌編集者として活躍した加藤謙一さん(1896~1975年)の功績をたたえ、同大学附属図書館に「加藤謙一文庫」を設置、同図書館前に記念碑を建立し、7日に開設式と除幕式を行った。

 加藤さんは弘前市生まれ。1917年に県師範学校(現弘前大学教育学部)を卒業後、市内の小学校教員となったが、退職し編集者を目指して上京、講談社に入社した。22年に「少年倶楽部」の編集長に抜てきされ、発行部数を伸ばした。

 45年、取締役に就任するも太平洋戦争終結に伴い退社。48年に学童社を興し創刊した「漫画少年」で、新人の発掘と育成に努め手塚治虫、藤子不二雄、赤塚不二夫、松本零士といった日本を代表する漫画家を育てた。

 同文庫では加藤さんの四男の丈夫さん(71)が寄贈した少年雑誌など263冊が閲覧可能。長谷川成一館長は「編集者側から見たコレクションは類を見ないユニークなもの。漫画研究に寄与できれば」と期待を寄せた。

 式では丈夫さんと遠藤学長らがテープカットや除幕を行い、加藤さんの功績をたたえた。丈夫さんは「父は22歳で飛び出し、故郷への思いが強かった。本当に喜んでいると思う」と話した。

 同図書館は文庫開設と記念碑建立を記念した資料展を同大学創立50周年記念会館で12日まで開く。時間は午前10時~午後4時45分。

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