創造学園大 准教授を即時解雇 堀越学園経営悪化で『東京新聞』2010年9月3日付

『東京新聞』2010年9月3日付

創造学園大 准教授を即時解雇 堀越学園経営悪化で

創造学園大(高崎市)を運営する学校法人・堀越学園(同)の経営悪化問題で、経営状況などの説明を求めた男性の准教授を同大が即時解雇したことが二日、分かった。堀越哲二理事長兼学長は教職員や学生、保護者らが求める経営状況などの説明に応じておらず、今回の即時解雇はこうした動きを封じる狙いがあるとみられる。 (菅原洋)

准教授によると八月三十一日、堀越理事長から同日付の解雇通知書を手渡された。理由の明確な説明はなく、通知書は就業規則の規定を挙げているが、自分の行動が該当する項目はないという。

配置転換などで退職に追い込まれる職員は相次いでいるが、准教授が即時解雇されるのは異例。准教授は同大の対応次第では、近く前橋地裁へ労働審判を申請する方針。

同大は労働基準法で定める解雇の事前予告はしていないが、予告しない場合に必要な約一カ月分の給与は支給した。准教授は返還する意向。労働契約法によると、客観的に合理的な理由を欠くなどした解雇は権利の乱用として無効。准教授は労働審判で解雇が撤回されない場合、民事訴訟を検討する。

准教授はゼミの学生二十数人を受け持っており、同じ専門分野の教員は現時点では補充されていない。学生たちは解雇撤回を求める嘆願書を提出した。准教授は「自分は就職担当をしており、学生の就職活動や卒業論文の指導が滞っている。解雇の代償は学生に降り掛かり、将来や人生を左右してしまう」と話している。

同大は「堀越理事長や担当者が不在のためコメントできない」としている。

同学園はここ数年大幅な赤字を出し、粉飾決算の疑いもあるとして文部科学省が調査。給与遅配を繰り返し、藤岡労働基準監督署が是正勧告も出した。

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