お盆の一斉休業、京大「休み」より「研究」『京都新聞』2010年8月17日付

『京都新聞』2010年8月17日付

お盆の一斉休業、京大「休み」より「研究」

京都の国立大で唯一、京都大(京都市左京区)だけがお盆に合わせた大規模な夏季一斉休業を実施していない。京大は、市内の事業所の中でも有数の温室効果ガス排出事業者で、学内からは「省エネのためにも、全学的な一斉休業を実施すべきだ」との声も上がっている。

全国の国立大では2004年の法人化以降、冷房停止などによる温室効果ガスの排出削減や職員のリフレッシュを目的に、お盆時期の夏季一斉休業の実施が進んでいる。今夏は東京大や神戸大、滋賀大をはじめ、京都の京都教育大や京都工芸繊維大でも、全学または大半の部局で行われている。また、同志社大や立命館大など京都の私立大の多くも一斉休業を取り入れている。

一方、京大では、工学研究科の一部の専攻の事務室、エアコンが故障した広報課などを除いて夏季休業は行われていない。昨夏に試行し、今夏は取りやめた生命科学研究科事務部は「試行で混乱はなかったが、事務だけが休業しても多くの研究室は稼働していて、省エネの効果には疑問が残った。また、休業で職員の休暇の取得を縛らなくてもよいと判断した」としている。

京大の2008年度の二酸化炭素排出量は約10万1千トンで、前年度より約0・3%増加し、排出削減には全学的な取り組みが求められる。京大環境保全センターの浅利美鈴助教は「一斉休業は、事務部門の休業だけでは大きな効果が望めない。『研究はお盆も休んでいられない』という教員の意識の改革や協力が必要だ」と話している。

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