弘大救命センター「滑り出し順調」 津軽広域で200人治療『陸奥新報』2010年8月17日付

『陸奥新報』2010年8月17日付

弘大救命センター「滑り出し順調」 津軽広域で200人治療

津軽地域の救急医療の最後のとりでとして期待されている、弘前市の弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターは本格稼働から約1カ月半が経過した。同センターの集計(8日現在)によると、津軽広域から約200人が治療に訪れ、うち新規の救急患者は約半数の92人「大きな混乱もなく順調な滑り出しになった」(浅利靖センター長)という最近は熱中症や子供の交通事故による搬送が増えており、同センターは熱中症の予防と夏休みで車による移動が多い時期のため、ドライバーに安全運転を呼び掛けている。

同センターによると、新規の外来診療は弘前市内だけでなく、近隣市町村や秋田県大館市からの救急患者も多かった。内訳は心肺停止が9人、心筋梗塞(こうそく)などの心臓疾患が19人、脳血管障害が6人、重症外傷が10人など。ヘリによる搬送は5回だった。

浅利センター長は開設後の約1カ月を「患者は1日平均3人だが、実際は短時間に集中することが多かった」と振り返る。

今月1日には6人の患者が搬送された。5人が心筋梗塞で、うち4人が午前9時から正午までの3時間に集中した。

同センターの救急外来は、救命処置を行うベッドが3床。処置後にセンター内や別の病棟のベッドに入院させる。短時間に患者が集中し、一時的に救命処置用のベッドが足りなくなることもあったという。

新規の救急患者92人のうち、同センター病棟に46人、同病院内の別病棟に40人が入院した。1日の最大入院数は6人だった。

ベッドが満床になれば救急患者を受け入れられなくなるため、各病院との連携も不可欠。転院について浅利センター長は「早い人は3日程度で搬送元の病院に戻るケースもある」とスムーズな連携を強調した。

課題として、患者が受付に直接電話をかけ診察を依頼したり、医師同士が緊急性の高い患者を依頼するホットラインが、通常の受付電話として使われるケースがあったという。

浅利センター長は「問題はゼロではないが、混乱はない。センターは全体的に地域に大切に使われている」と述べ、「今後もより適正に使ってもらうことで地域にとって効果的な施設になる」と順調ぶりをアピールした。

8月には熱中症で3人が搬送された。また、夏休みで子供の交通事故も目立ち、事故に遭った6人の低学年児童が運ばれてきた(いずれも8日現在)。同センターは体調管理、水分補給といった熱中症予防や、ドライバーに安全運転を要請している。

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