概算要求:文科省、大幅削減の方針 「特別枠」を活用『毎日新聞』2010年8月19日付

『毎日新聞』2010年8月19日付

概算要求:文科省、大幅削減の方針 「特別枠」を活用

文部科学省が来年度予算の概算要求で、閣議決定した10年度予算の一律1割削減からさらに1000億円以上減額した額を示す方針を固めた。「超過削減額」の3倍の要望が「特別枠」で可能となっている今年の新方式を活用して、最終的には10年度予算を上回る額を目指す。19日の民主党文部科学部門会議で、中川正春副文科相が明らかにした。要求額で何を削減・廃止するか、今後注目を集めそうだ。

来年度の概算要求は、社会保障費などを除き10年度歳出から一律1割削減して要求する「要求枠」と、民主党マニフェストや新成長戦略などに応じて重点配分する「元気な日本復活特別枠」の要望の2本立て。要求枠を1割よりさらに削減すれば、差額の3倍を、削減分の1割と合わせて特別枠で要望できる特典がある。ただ、特別枠は政策コンテストで順位付けされ、場合によってはゼロ回答の可能性もある。

文科省の10年度予算は5兆5926億円。一律1割カット分は5090億円で、さらに1000億円以上削減し、特別枠を含めた総額では10年度より2000億円上回る予算額を目指す。

同省は、小中学校の少人数学級実現や高校生向け給付型奨学金の創設などマニフェストや新成長戦略関連の施策を多く抱えている。中川副文科相は「予算額を伸ばさないとマニフェストが達成できない。その原資を獲得しようと思うとそこ(1割超の削減)までいかないといけない」と話した。【本橋和夫】

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