新キャンパス:愛知の私大、都心回帰 学生確保に躍起『毎日新聞』2010年7月16日付

『毎日新聞』2010年7月16日付

新キャンパス:愛知の私大、都心回帰 学生確保に躍起

愛知県内の私立大学が名古屋市内に新たにキャンパスを設ける動きが相次いでいる。少子化時代に生き残りをかけ、魅力ある都心キャンパスで学生確保を目指している。07年以降、既に2大学が同市内に新キャンパスを開設、他の2大学も準備を進めている。

先陣を切ったのは瀬戸市にキャンパスを構えていた名古屋学院大。「入学生確保のためには交通の便利な都心キャンパスの設置が生き残り策」として、07年に名古屋市熱田区にキャンパスを新設し、大学本部と経済など3学部を移転した。

◇「学生生活をエンジョイ」

小嶋博学長は「勉強するだけでなく、学生生活をエンジョイできる」と都心に近いキャンパスをアピールする。名古屋学院大の志願者数は09年度から2年連続で増加しているという。

豊田市の愛知工業大は今年、名古屋市千種区に「自由ケ丘キャンパス」を開校させ、豊橋市の愛知大は12年にJR名古屋駅南の笹島地区に「新・名古屋キャンパス」を完成させる予定だ。

日進市の愛知学院大は新キャンパス開設のため、近く売却される名古屋市北区名城の国有地・元国家公務員宿舎「名城住宅」跡地の取得に名乗りを上げた。跡地計約3万4000平方メートルのうち2万平方メートル余の購入を希望。日進市のキャンパスから経営、商学部を移し、新設学部と合わせて3学部を置く構想だ。

土地購入とキャンパス新設には100億円超の費用がかかる見込みだが、愛知学院大は「名城公園や官庁街に近く、教育環境も交通の便もいい。入学志望者が増えれば、大学のレベルアップにもつながるはず」と期待する。

私立大学の「都心回帰」の傾向は首都圏や関西圏でもみられる。河合塾教育情報部の近藤治部長は「通学の便や授業後の過ごし方を含め、都心キャンパスに魅力を感じる学生が増えている」と話している。【福島祥】

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