『日本経済新聞』2010年7月10日付
埼玉大、次世代自動車で産学官の研究拠点開設
埼玉大学は9日、県などとの産学官共同研究拠点となる「埼玉次世代自動車環境関連技術イノベーション創出センター」(さいたま市)を開設した。電気自動車(EV)を含めた次世代自動車に関連する共同研究を進める。県内で主力の自動車産業はEVなどへの転換期にあり、共同研究を通じて円滑な移行を手厚く支援する。
センターは埼玉大のキャンパス内にある。共同研究のテーマとして、EV向けの充電システムや素材の軽量化などの技術開発、EV向け充電スタンドの配置の仕方など社会システムの研究を予定する。研究成果を県内企業と共有し、関連ビジネスを育てる。
同日、4つの研究会を埼玉大を中心に立ち上げた。今後、共同研究する相手となる企業を募る。それぞれの分野の課題に対して専門家を招いての講演会や意見交換会などを開く予定だ。
センターは科学技術振興機構(JST)の事業の採択を受けて誕生した施設。自動車で使う電子部品に対する外部からの電磁波の影響を評価する設備なども、来春までに整備する予定だ。