『日本経済新聞』2010年6月23日付
東北大、環境技術の研究拠点を開設 産学官連携を強化
東北大学は環境技術の実証研究や産学連携を促す新たな研究棟「エコラボ」を開設した。教授らの先端研究と組み合わせ、自然エネルギーを中心とした技術の実証の場となる。宮城県や仙台市、東北経済連合会との間で産学官連携プロジェクトを推進する協議会組織も発足した。ハード、ソフトの両面で技術研究を強める考えだ。
エコラボは東北大大学院環境科学研究科の施設として開設、22日に完成式典を実施した。
2階建ての建物に太陽光発電や太陽熱発電、蓄電池、発光ダイオード(LED)照明などを配置した。太陽熱などで得られた電気を交流に変換せず、直流のままパソコンなどに送る制御システムもある。直流・交流変換に伴うロスを抑える仕組みも研究する。成果を大手企業や地元企業にできるだけ提供し、産学共同研究にもつなげる。
一方、東北大の環境科学研究科は宮城県や仙台市、東経連と協力し「地域連携環境教育・研究センター」を発足した。今後、非営利組織(NPO)なども加わり具体的なプロジェクトを検討する予定で、未利用エネルギーや微弱エネルギーの有効活用といった案件を念頭に置いている。