大学生、出席率86% 授業出ても…携帯・私語『産經新聞』2010年6月6日付

『産經新聞』2010年6月6日付

大学生、出席率86% 授業出ても…携帯・私語
大学教員に聞いた授業の阻害要因大学教員に聞いた授業の阻害要因

授業にはまじめに出席するが、携帯電話や私語が多く、家ではほとんど勉強しない-。少子化と入学定員の拡大による「大学全入時代」が到来する中、大学教員が学生の低い学習意欲に苦慮している状況が5日、東大の研究グループが行った調査で分かった。

中教審が近年、大学側に求めている成績評価や卒業認定の厳格化が高い出席率につながっているとみられるが、学習意欲に直結していない問題点が浮かび上がった形だ。

調査は2月、全国の国公私立大で授業を担当している教員約1万7千人を抽出、質問票を郵送して実施。31%の約5300人から回答があった。

教員に、自身が担当する授業の出席率を尋ねたところ、平均で86%と高い数字だった。

学生の「就職活動」や「アルバイト」が授業の「大きな障害になる」「障害になる」と答えたのが各53%だったのに対し、「授業中の携帯電話・私語」は64%。学生の欠席よりも出席した上での態度に教員は不満を持っているようだ。

また、授業の予復習に学生が週何時間使うことを想定しているかとの質問では「1時間」が44%、「2時間」が27%。ただ、学生の状況からうかがえる学習時間については58%が「不十分」、14%が「極めて不十分」としており、授業以外ではほとんど勉強していないとみていることも垣間見えた。

学生の学力について「専門分野の基礎的理解」では68%が、「国語の読み書き」では50%が「不十分」または「極めて不十分」と回答した。

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