「鍵掛けたか覚えてない」高知大学の学長選訴訟 事務職員が証言 高知地裁『高知新聞』2010年5月22日付

『高知新聞』2010年5月22日付

「鍵掛けたか覚えてない」
高知大学の学長選訴訟 事務職員が証言 高知地裁

2008年4月に文部科学省が高知大学の学長に相良祐輔氏を任命したのは「違法」として、当時の学長選考会議委員と対立候補が国に任命取り消しを求めている行政訴訟の口頭弁論が21日、高知地裁で開かれた。問題の発端となった学長選考に伴う事前の学内意向投票(07年10月)にかかわった事務職員らが証人として出廷、投票用紙の管理などについて説明した。

学内意向投票の当初の開票集計では、対立候補だった高橋正征氏が相良氏に41票差をつけていたが、開票作業終了後、投票用紙を同大秘書課事務室で整理していた2人の職員が「相良氏の20票が高橋氏の投票箱に混入していた」と指摘。投票管理委員が再び集まって数え直すと、両氏の差は1票になった、とされている。

証人として出廷した2人の職員のうちの1人(当時の秘書課課長補佐)は、「(開票が終わった投票用紙の入った箱を)わたしが秘書課に持ち帰って、金庫にしまった。金庫に鍵を掛けたかどうかは覚えていない」などと説明。その後、「事務室に部長(当時の企画部長)が来て、(投票用紙を)整理しようということになり、金庫から箱を取り出した」と話した。

また、同じく証人として出廷した当時の意向投票管理委員長は、職員から票数の食い違いがあると連絡を受けた時のことについて、「そんなことが起きるはずがないと思った。事態をどう収めたらよいかを考えてパニックになった。今思えば、(開票が)すべて終わっているのに再度、投票管理委員を呼び出したことがわたしの不手際だった」と話した。

次回(8月12日)で結審する予定。

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