“ポスドク”支援訴え提言『NHKニュース』2010年5月16日付

『NHKニュース』2010年5月16日付

“ポスドク”支援訴え提言

大学院で博士の学位を取得したあと、短期契約で研究を続けるポストドクターと呼ばれる人たち、いわゆる「ポスドク」について考えるシンポジウムが東京で開かれ、不安定な立場に置かれているケースが多いとして、就職支援や奨学金制度の充実を求める提言をまとめました。

このシンポジウムは、大学や研究機関の教職員組合などが開いたもので、はじめにノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんが講演し、「ポスドクを含め必要な研究者について、今、社会全体で議論していく必要がある」と呼びかけました。大学院の定員の増加に伴い、博士の学位を取ったあと短期契約で研究を続ける「ポスドク」は年々増え、平成20年度でおよそ1万8000人に上っています。シンポジウムでは、▽長期的な視野を持って研究が続けられないというポスドクの悩みや、▽収入が不安定で奨学金の返済が苦しいといった実情が報告されました。参加したポスドクの人たちは「常勤の研究職に応募しても、倍率が高く採用されません」とか、「大学の非常勤講師をしていますが、契約が1年更新なのでいつ職を失うか不安です」などと話していました。シンポジウムでは、大学や研究機関の常勤での採用枠の拡大や、民間企業への就職支援、さらには返済を猶予するなど奨学金制度の充実を求める提言をまとめました。

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