津軽守る医療の砦 弘大救命センターが公開『陸奥新報』2010年5月13日付

『陸奥新報』2010年5月13日付

津軽守る医療の砦 弘大救命センターが公開

7月1日に本格稼働を目指す弘前大学医学部附属病院の高度救命救急センターと同病院外来診療棟

屋上に設置したヘリポートが12日、報道陣に公開された。同センター内には、高度医療や被ばく医療に対応する機器が整ったほか、ヘリポートは融雪機能や照明設備を整備。同センターは稼働に合わせ、地域の医療関係機関とスムーズに連携が取れるようホットラインも開設する予定で、津軽地域の三次救急医療を担う最後の砦(とりで)として、研修医や医学生への救急医療への教育の場だけでなく同地域の救命率アップが期待される。

同センターは同病院敷地内に建設、地上2階、地下1階で総面積2410.72平方メートル。1階は救命救急外来、2階の救命救急病棟には10床を用意し、被ばく医療対応のBCU(無菌室)などを設置。地下1階は特殊救急外来(緊急被ばく医療対策)で緊急被ばく医療対策関係の機器を備えた特殊処置室などからなる。ヘリポート(941.21平方メートル)は、同センターの開設に合わせ稼働予定で、ドクターヘリのほか防災ヘリなど最大で重さ6.5トンまでのヘリが着陸できる。

2009年8月に着工し、今年3月下旬に竣(しゅん)工(こう)。人員は医師14人、看護師36人など55人を確保。津軽地域の三次救急を担い、広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒のほか、緊急被ばく医療に対応する。

7月からは同センターと地域の病院、診療所との医療面での連携をしやすくするため、他医療機関とのホットラインを開設する予定で、これまで同様、脳卒中、くも膜下出血など緊急を要する患者を受け入れる方針だ。

同センター運営をめぐっては、センター運営費の不足分と国への償還金合わせて2億円弱が掛かるとみられ、近隣9市町村からこの半分の支援を受けることになっている。

同センターの浅利靖センター長は「患者は誰でも受け入れるというわけではない。地域の医療機関と相談し、地域の医療機関が困るような症状の患者の場合に受け入れるというシステムをつくり、地域の人が安心して住めるようなセンターを目指す」と話した。

弘大は13日に同センター開設記念式典を行い、17日から診療を開始、7月1日からの本格稼働を目指す。

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