研究費は税金 思い出せ/山大『朝日新聞』山口版2010年5月7日付

『朝日新聞』山口版2010年5月7日付

研究費は税金 思い出せ/山大

◆山大不正経理で啓発事業

研究費の不正経理問題が発覚した山口大で6日、教職員を対象にした啓発事業が始まった。初回のこの日は、工学部のある常盤キャンパス(宇部市)をメーン会場に、不正経理の経緯や理由、再発防止の取り組みについて説明会を行った。大学の責任者は、研究費が税金であることを改めて思い出すよう呼びかけた。

説明会では丸本卓哉学長が、一連の問題で大学の信頼を損なったと述べた上で、「国の税金を基本とする研究費を不正に使用しないことは基本的なこと」と強調。大学再生を誓い、備品購入時のチェック体制の強化など再発防止策について報告した。

財務施設担当の瀧口治副学長は一連の不祥事について、広島国税局や学内調査の経過を説明。研究費が税金を原資にしている自覚が足りないケースもみられるとし、「自分の勝手にできるという意識が若干あるのではと感じた」と述べた。研究費や物品購入は、取引業者に任せきりにせず、事務職員とコミュニケーションを十分とる必要性も説いていた。

啓発事業は今回を含め、研修やシンポジウムなどあわせて5回行う。一連の問題では、延べ40人余りの教員が関与した疑いがあり、大学は内部調査を6月末までに終えて、結果を公表するとしている。

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