東北大・宮城県立こども病院 成育医療の人材育成で連携
東北大大学院医学系研究科と宮城県立こども病院は21日、産科や小児科などの成育医療分野の人材育成を推進する連携協定を締結した。東北大は、こども病院を臨床研究拠点と位置付け、連携して大学院教育を推進する。医師らがこども病院の診療に携わりながら博士号を取得できる仕組みを整え、成育医療のエキスパート養成を目指す。
東北大は新年度、こども病院を拠点に(1)胎児診断・治療(2)脳神経系の発達・発育の診断・治療(3)悪性腫瘍(しゅよう)の新規治療開発―の3分野の講座を開設。各分野の臨床研究に精通した同病院の医師3人が東北大の客員教授に就任し、博士号取得を目指す医師らを指導する。
東北大はこども病院の豊富な症例を生かすことで、研究や治療の向上が図られるほか、同病院の医師や看護師らは学位を取得しやすくなるという。両者は研究設備やデータなどの共同利用も推進する。
東北大大学院医学系研究科であった調印式で、山本雅之研究科長が「成育医療研究の最高水準の拠点とし、レベルの高い医療人の養成を目指す」とあいさつ。こども病院の林富院長も「スタッフの専門性向上を図り、成育医療の進歩につなげたい」と述べた。
東北大はこれまでに、宮城県立がんセンター(名取市)と同様の協定を結んでおり、がん研究の人材育成を進めている。