長期的視点に立ち事業仕分けを 山形大が緊急提言 『山形新聞』2009年12月07日付

『山形新聞』2009年12月07日付

長期的視点に立ち事業仕分けを 山形大が緊急提言

国立大の多くの事業が政府の事業仕分けで「廃止」「縮減」などと評決されたことを受け、山形大の結城章夫学長は7日、各学部長・病院長と連名で「長期的視点に立った格段の配慮を強く望む」との緊急提言を発表した。

結城学長は、評決の背景に、短期で成果が得られる研究を重視する視点があると指摘し、その考え方からの脱却を求めた。また、減額が続いてきた運営費交付金も「見直し」とされたことに対しては「(全国平均で)毎年1%ずつ削減され、教育基盤がやせ細っている。やりくりでしのいできたが、もはや限界。ぜひとも増額に転じてほしい」と訴えた。

評決の在り方については、各学部長などからも批判が相次いだ。「(仕分けに)分かっている領域の人が加わっていない。日本を壊そうとしていると思えるほどの暴挙だ。病院への運営費交付金が減らされれば、日本の8割の付属病院が赤字になる」(嘉山孝正医学部長)、「科学のすそ野を確保することが国立大の役割だ」(桜井敬久理学部長)、「有機エレクトロニクスは、産業化の山を登り始めようとするところ。今後の配慮を求めたい」(高橋辰宏工学部副学部長)と、いずれも危機感をあらわにした。

同大の運営費交付金は予算ベースで2009年度が97億4400万円で、04年度比では5億6100万円の減。同大のまとめによると、事業仕分けでは、グローバルCOEプログラム(09年度2億6千万円)が「縮減」、先端有機エレクトロニクス国際研究拠点形成プロジェクト(同1億千万円)が「廃止」とされるなど、大きく分けて14事業(同計10億1300万円)に影響が出ているという。

同大によると、8日に東北地方の7大学長の連名で、同様の提言を発表する方針。

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