事業仕分け:国立大交付金を見直し 温暖化2事業廃止 『毎日新聞』2009年11月25日付

『毎日新聞』2009年11月25日付

事業仕分け:国立大交付金を見直し 温暖化2事業廃止

政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は25日、予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」の後半2日目の作業に入った。全国の国立大学など90法人に対する「国立大学法人運営費交付金」(文部科学省、10年度概算要求で1兆1708億円)を議論し、「交付金のあり方や位置づけを見直す」と判定した。また、地域の地球温暖化防止活動を啓発する環境省の「一村一品・知恵の環づくり」など2事業(10年度概算要求で計11億円)が「温暖化防止の効果が不明確」などとして「事業廃止」となった。

国立大学法人などへの運営費交付金は研究などの基盤的な経費とされる。国立大が独立行政法人化した04年度の1兆2415億円から、09年度は1兆1695億円に720億円減額された。

この日の議論では仕分け人から「他の公立大学では民間経営者を理事長に充て、運営費をもっと削減している」「専務理事や事務局長に役人の出向者がいて、独法化の意味があるのか」などの厳しい指摘が相次いだ。これに対し、文科省側は「事務職員を減らすことなどで定員削減の努力をしており、交付金の削減は限界」などと回答したが、仕分け人の判定では、経営改善努力の継続▽人件費や組織、教員配置の見直し▽民間人登用による大学運営の見直し--などを促す意見が出て、独立法人化した効果を検証するよう求めた。

また、海外との文化芸術交流や日本語教育事業などを担う独立行政法人「国際交流基金」については、運営費交付金(10年度概算要求で121億円)を「客観的な評価が不足している」として見直しを要請。08年度末で951億円の運用資金は「見直して相当分を国庫に返納」とした。

オフィスや家庭の温暖化防止活動を後押しする環境省の「CO2(二酸化炭素)削減アクション推進事業」(5億円)は「大半が広報費用で目的が不明確」と「予算半減」にした。文化遺産の保存など各種国際機関への任意拠出金(39億円)は「重複を排除すべきだ」などの意見が多数を占め、「見直し」 と判定した。【谷川貴史、井崎憲】

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