機構の効率的運営要求 大学院大整備
予算超過受け分科会提言 専任事務局長配置も
【東京】政府の独立行政法人評価委員会の沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)分科会は2日、OISTが2009年度の沖縄科学技術大学院大学研究室整備事業で当初予算を約40億円超過していた問題について、専任の事務局長の配置などによる効率的な組織運営を求める提言を前原誠司沖縄担当相に報告した。前原氏は「機構には責任を明確に示し、提言に沿った改革を実施するよう指示した。内閣府も厳格なフォローアップをしていく」とのコメントを発表した。
OISTは提言に基づく内部体制の見直しを図り、同分科会が今年夏、改善点を含めた09年度実績を評価する。
OISTは09年の施設整備費として実施設計段階で約138億円を見積もっていたが、研究者側が研究環境の充実を要求したこと受け、工事中に施設の仕様を変更し、最終的に当初予算を40億円超過。不足分は国からの運営交付金や整備補助金全体の節減で対応した。
分科会は不正な目的での意図的な超過ではないとしつつ、予算管理と研究の担当者の意思疎通が不十分だったと指摘。理事が事務局長を兼任する現在の体制から、専門的な経営の知識を持つ人材を専任の事務局長として配置することを提言した。同時に、研究側と経営側の実務者で情報交換を緊密にするルールの確立、経営の効率化を目的とした事務事業のシステム化を求めた。
OISTのロバート・バックマン理事は「指摘されたポイントを理解し、将来を見据えた運営を目指したい」と述べた。
また、09年7月の参院沖縄北方特別委員会で組織内でパワーハラスメントの疑いがあることを指摘されたことを受け、OISTは組織内と法律事務所の両方に通報窓口を設置したことを報告した。